死ぬ順番は最期まで分からない
父は56歳という若さで亡くなったんだが、残された母は毎年年齢を重ねている。
それは当たり前のことで今更書くほどのことでもないんだけど、ときどき考えてみる。
父より母の方が早く亡くなっていたらどうなっていたんだろう?と。
生活するのに、現代は洗濯も掃除も機械がやってくれるし父が家事が苦手だという記憶もないのでおそらく自分の力で生きていくんだろうな、とは思うけれど友達との関係よりも母を優先して生きてきた人だから、恐らく母よりも早く老いていき少し寂しそうに生きていたのかななんて思う。
わたしの妹家族と一緒に暮らす母は、8月に生まれた孫のお世話で大忙しだけど充実している様子。暇そうに自宅に篭る生活より少し大変な方がボケないんじゃないかと全く長女らしくない無責任な発言だけどわたしもあと20年もすると62歳になるわけで暇でボーッとしているより何かしら悩みがあった方がボケないんじゃないかと思っている。
宇宙の図書館「アカシックレコード」
3年前、まだ息子の妊娠がわかって間もないぐらいのとき友達との会話がきっかけでアカシックレコードと呼ばれるいわゆる「宇宙にある図書館」にある記憶を引っ張ってくる?見ることが出来る?人を紹介してもらい行ってきたことがある。
わたしの場合、こういう宇宙たぐいのことはネタというか流行りのテーマパークに行くかのような気持ちでふらーっと行ってしまうので特別悩みがあるわけでもなく
「どれどれ、アカシックレコードとやらを教えてくださいな♪」という、バカにするために行くわけではなく好奇心の方が先に勝ってしまう。
実際に行ってみると悩みがないことが見透かされていたのか「他に聞きたいことはないですか?世間話しをして終わっても良いですが時間が勿体無いですよ?」なんて言われてしまい、おっとごめんなさい!そうですよねー!という感じになってしまったんだけど、最後に気になっていたことを質問して終わりにしようと決めた。
最後の質問とは、寿命だ。
いや、宇宙の図書館から何も引っ張ってこれないわたしだってわかっているよ。
寿命を聞いたって意味がないことを。
だけど、どうしても聞きたかったんだ。
わたしと旦那さん、どちらが先に死ぬのか。
するとその人は、寿命は本人にしか話せないと説明してくれた。
では、わたしの寿命は聞いたからそれよりも先なのか後なのか、それだけで良いので教えて欲しいと頼むと案外あっさりと教えてくれた。
わたしよりも先に死んじゃうらしい
どうやらその人がわたしの宇宙の図書館を見ると、旦那さんよりもわたしは後に死ぬんだそうだ。そうか。
それが本当なのか嘘なのかは、実際に死んでみないとわからないし確かめようもないことだから深入りもしないし、詮索もしないし、安心もしないけど。でも、そうか、そうか、と胸を撫で下ろしたのを覚えている。
友達関係よりもわたしを優先し、趣味よりも仕事や家族を優先する旦那さんの方がわたしより先に死ぬのか。そうかそうか。うん、それは理想通りだ。
きっと彼はわたしより長生きしても孤独に苛まれて、子供たちにも迷惑はかけたくないからとそそくさと至れり尽くせりの老人ホームに入るか、どっか海外に行って毎日ボーッとするか、死ぬまで仕事をするか、どれかだと思うからわたしより先に死んであちらの世界に見送れるのは本望だ。
都市伝説かもしれないけれど、高齢の男の人が奥さんよりも長生きするとよぼよぼのお爺ちゃんになって老いぼれていくと幼い頃から信じているわたしは彼よりも先に死ぬ自信がないんだ。だから、父が母よりも先に死んでしまったことは父が老いぼれていく姿を見たくないわたしにとっては心のどこかで安心しているのかもしれないな。
もちろん、奥さんより長生きしてもきちんと生活をしてしっかりと生きていく男性だってたくさんいるのだからわたしの都市伝説なんて、本当にただの都市伝説レベルなんだけどね。ただのわたしの理想だ。旦那よりも長生きするということが。
でも、待てよ。
特に孫の世話をしたいとも思っていないわたしが長生きしたところで子供たちの役にも立たないし、友達も少ないから至れり尽せりの老人ホームに入るか、どっか海外でボーッとして生きるか、死ぬまでブログでも書いているか・・・
あれ?わたしが長生きする意味よ。
そう言えばアカシックレコードのその人は「お子さんは3人いるように見えるけどね」と言っていた。残念ながら今のところ3人目を授かる予感もしないのですが、あれ?寿命の件は大丈夫か?
つまるところ、どちらが先に死ぬにせよ死ぬまでどんな道を歩いていくのかのほうが大切ってわけだな。
こちらの1冊はいろいろ考えさせられる本でしたので自分のことを振り返りたいかたにお薦め。