大人になってから友達を作るのはむずかしいと言うけれど

わたしも今年で42歳になるわけだけど、35を過ぎたあたりから「友達を作るのは年々むずかしくて」という相談を受けるようになった。確かにご新規の友達を作るというのはゼロから関係を築くわけだから簡単ではない。

どうしてご新規の友達が欲しいの?と聞くと決まってかえってくる答えは「一緒に行動する人が欲しい」とか「さみしいから」「友達が少ないと思われるのは恥ずかしいから」というもの。分からなくもないんだけど、どこか引っかかるわたし。何が引っかかっているのかひとり考えてみると、言い方が厳しいかもしれないけれどどの答えも自分のことを埋めるだけの都合のいい答えに聞こえたから違和感を感じていたんだ。

そんなわたしにもさみしいな、と感じる時間はある。若い頃は仕事の帰りに近所に住む幼馴染に電話して焼肉屋さんで待ち合わせをし、他愛ない話しをすることがストレス発散になっていたけれどさすがにもう自分の都合だけで友達を呼びつけるわけにもいかないし友達も結婚して時間の使い方も変わった。今は簡単に会えない場所に友達がいるから埋めるにも埋められない。

友達という定義は年々変わるのかもしれない。

今のわたしの友達という定義は【何かあれば駆けつけたい】【いくらでも話しきくぜ】と心底思えるかどうか、という結構重たいものなんだ。ということに気づいた。自分の時間を投げ出してでもその人のそばにいたい。自分のさみしさを埋めるだけに会うというのはどこか逆にさみしさを感じてしまうようになった。それだけ時間が貴重なものになったということもあるかもしれない。

もともとわたしは友達が多いほうではないけれど、友達はみな自分の足でしっかり立ってめげながらもガッツがあって転んでも転んでもはいあがる、そんな人が多い。ただ強いわけじゃない。「めげながら」というところがポイント。お互いに落ち込むこともあるからそんなときに駆けつけるぜ!話し聞くぜ!という気持ちがわくのが友達。今は会えないからLINEでもInstagramのDMでも何でもいい。

それでもさみしくて自分の気持ちを埋めたいときは

わたしは【お金を使って解決する】という手段をとる。

お薦めはエステやマッサージ、美容室やネイルだ。温かい手で疲れ切った身体を労わってもらう代わりにわたしはお金を払う。これはわたしのワガママだけど温かい手というのが大切なので出来れば冷え性なお姉さんではなく手先が温かい人がいい。

大抵さみしいときというのは身体も疲れ切っているんだ。

自分の限界まで頑張っているとき精神と比例して身体にも限界がきているから自分の身体を労わる時間にお金を使う。そのために、いつでも予約できるホテルスパをチェックしブックマークしているのはここだけの秘密。「スパなんて高いでしょう」なんてお思いの人もいるかもしれませんが、県民割引があるホテルを利用すれば1万円で利用できるし月に何回も行くわけではないし、地域の隠れ家的サロンをホットペッパーなどを使って利用すれば格安でポイントまでもらえるし、自分が住んでいる地域に駆け込み寺のような場所が出来るのなら決して贅沢なことではない。美容室やネイルなどはきれいになった髪や爪は目にも心にも労わりと癒しを与えてくれるし地域で頑張る人へお金を使えるなんてこんな幸せなお金の循環があるだろうか。たいして欲しくもない物に「安いから」という理由だけで数千円~数万円を使う人を見かけるけれど自分の身体に使ったほうが断然さみしさを埋めることができる。

ご新規の友達を作ることに熱を上げて必死にならなくてもいい

さみしさを埋めるための友達を必死で作ることに熱を上げるよりも自分でさみしさを埋める方法を生み出したほうが断然早い。

ひとりでカフェで本を読むことがリラックスの時間になるかもしれないし、誰かといないと自分の心を埋めることが出来ないというのはこれからの時代的にも厳しいものになるんじゃないかなあ。それでも会いたい人というのがあなたの大切な人であり、リアルに会える場所にいるのならお互いの時間を尊重しながら会えばいい。

そして大切な友達は今は会えなくてもどこかで想いを馳せることもできる。「元気かな?」「この前の話しはどうなったかなあ」なんて想って連絡したいタイミングで伝えればいい。その馳せた想いはさみしい心を埋めてくれるはずだ。

わたしの一番の願いは、早く大切な友達に気兼ねなく会えるようになることだ。

そりゃあ、直接会って「最近どうよ?」と他愛ない話しが出来ることが最高なんだ。昔の笑える失敗談や今も相も変わらず抜けたところがあって年々と忘れっぽくなっている話しとか「あのときは若かったよねー」なんて言いながら、それでも歳を重ねてもあの頃と同じ笑い声でしわしわの顔で「最近は腰も痛くてねー」なんて身体の変化も話しながらお薦めのスパや美容談義で盛り上がりたい。それまでは、自分の身体はお金でメンテナンスをして気分を上げながら、ただひたすらに念を送るんだ。

「いつでも話し聞くよ?」「早く会いたいね」「大好きよ」って。